その内容を少しだけご紹介します。
今年(2014年)の春に、糖尿病の新しい内服薬が発売されました。
そのお薬は、今までのお薬と全く異なる仕組みで血糖値を下げてくれます。
しかも、うれしい“おまけ”も付いてきます。
それでは、そのお薬の詳しいお話しをしていきましょう。
その前に、予備知識として腎臓と尿(オシッコ)のお話しを少しだけします。
ヒトは、身体に不必要な物を腎臓の中の尿細管という所で、尿の形で身体の外に排出しています。
ブドウ糖は、身体にとって必要なものなので、尿細管の手前の部分で一度は排泄されるのですが、
尿細管の先の部分で再び吸収されて、最終的には身体の中に戻っていきます。
ですから、糖尿病でない方の尿(オシッコ)の中にはブドウ糖は殆ど含まれていないのが普通です。
しかし、糖尿病の方は、血液中のブドウ糖の量が多いので、再吸収しきれなかったブドウ糖が、
尿中に出てきます。これが検尿検査で「尿糖+」となる理由です。
それでは、お薬の話しに戻ります。
そのお薬は、“SGLT2阻害剤”と呼ばれており、現在日本では、6種類のお薬が発売されています。
腎臓の中の尿細管の先の部分で再び吸収されて、最終的には身体の中に戻る部分をブロックする
る事で、結果的に体内の余分なブドウ糖を尿と一緒に出して血糖値を下げてくれます。
また、ブドウ糖というエネルギー源が失われるため、
“おまけ”の効果として、体重が少しだけ落ちると言われています。
このお薬に関しては、注意してもらいたい事が3つあります。
まず1つ目は、
余分な糖が尿と一緒に出るのと同時にに水分も一緒に出て行ってしまいますので、水分補給
をきっちりとしないと脱水症状となってしまい危険です。 毎日ペットボトル1本分位(500mL)の水分補給をして下さい。
次に、
尿中にブドウ糖がたくさん出てくることで、尿路系の副作用(尿路感染、性器感染)が多いと言
われています。
ですから、陰部を清潔に保っておく必要があります。(ウォシュレット等を活用して下さい。)
最後に、(これがある意味一番大切かもしれません。)
このお薬には、体重が減る効果は有りますが、
今までと同じように「食事療法」「運動療法」は続けて下さい。
実際にこのお薬の効果で失われるエネルギーは、1日あたり小さめのショートケーキ1個分位です。
ですから、それ以上のカロリーを摂取していれば逆に体重は増えることになります。
Sasayama wrote.