2012年7月31日火曜日

暑い夏の工夫



早いもので明日から8月。
暑さもますます厳しくなりそうですが、真夏ならではの
アウトドアの行楽や旅行の企画をされている方も多いと思います。

糖尿病の治療中の方は、この時期、いつも以上に
気をつけていただきたいことがあります。
糖尿病がある人はそうでない人に比べ
熱中症にかかりやすいことが知られているからです。
気温が高くなるほど容易に脱水を起こしやすくなるため、
十分な水分をこまめにとることは誰にとっても重要なことです。
しかし、血糖値が高いと気温に関わらず脱水が起こります。
したがってよりいっそう意識して水分補給をすることが大切です。

この水分補給の際にはジュースやスポーツドリンクは
糖分を含むため適さない場合が多く、原則として水かお茶が
良いと思います。
カフェインは短時間に多量にとると血糖値を上昇させますが、
通常の飲料に含まれる程度であれば問題ないでしょう。

日ごろから運動習慣のある人も、気温の最も高くなる日中は
できるだけ避け、早朝か夕方以降に実施しましょう。

最も軽症の熱中症である『熱疲労』では以下のような症状がおこります。

      めまい、ふらつき
      多量の汗
      こむらがえり
      皮膚が冷たくべとべとする
      頭痛
      動悸
      吐き気

このような症状がでてきたら、すみやかに涼しい場所へ移動し、
十分な水分をとってください。
さらに重症な『熱けいれん』や『熱射病(体温の異常上昇、多臓器障害)』
へ至る前にできれば医療機関を受診されることをおすすめします。

屋外へインスリンを持ち出す場合も注意が必要です。
インスリンはたんぱく質で熱に弱いため、保冷剤などを入れた
バッグに入れて持ち運ぶのがよいでしょう。
ただしインスリンが凍ってしまわないように(凍ると使えなくなります)
タオルでくるむなどしてください。
もちろん車のダッシュボードなど直射日光は避けましょう。

海外旅行で時差がある場合や、機内食の時に
インスリンをどのように打ったらよいか迷うことがあるかもしれません。
お使いの製剤や注射方法によって異なるため
予定がある方は担当医にぜひご相談ください。


対策さえ知っていれば、糖尿病があることが
旅行や趣味を実践するうえでの何の妨げにもなりません。
暑いシーズンならではのイベントを楽しみましょう!



横山


2012年7月25日水曜日

本日の糖尿病教室は、

内服薬のお話をしました。

お話しした内容をざっと振り返ってみましょう。


血糖値を下げてくれる内服薬には、大きく分けて3種類あります。

①すい臓からインスリンを出させる薬(グリミクロン、ダオニール、アマリールなど)
②食後の血糖をターゲットにして下げる薬(ダオニール、ベイスンなど)
③インスリンを効きやすくする薬(アクトス、メトグルコ)

このうち、低血糖の副作用に注意する必要があるのは①
食事直前に飲まないと効果が無いのは②(他の薬は食後でOK)


低血糖は、普段通りの生活を送っていれば、起こる事は稀です。
ただし、普段と違う生活パターンになった場合は注意が必要。

例えば、

インスリンもしくは、すい臓からインスリンを出させる薬(①)を飲んでいる場合に

・食事の間隔を開け過ぎた時
・いつもよりも身体を動かし過ぎた時
・朝食前に運動した時
・薬を(多く)飲み間違えた時

この様な時には、低血糖に対する注意が必要です。


低血糖の症状『は・ひ・ふ・へ・ほ』と覚えましょう

は:腹がへる
ひ:冷や汗が出る
ふ:震え(ふるえ)
へ:変にドキドキ
ほ:ほうっておくと意識がなくなる


低血糖の対処法は、ブドウ糖を食べる
ブドウ糖が手元に無ければ、ブドウ糖もしくは砂糖の入った物を飲む(食べる)
例えば、清涼飲料水(150~200mL)・氷砂糖(4個)・飴玉(4個)
※ただし、グルコバイ・ベイスン等を飲んでいる場合は、必ずブドウ糖で対処して下さい。


飲み忘れた場合は、もったいないからといって、2回分をまとめて飲むのはやめて下さい。
すい臓からインスリンを出させる薬(①)の場合は、低血糖を起こす事があります。


Sasayama wrote.

公開糖尿病教室のお知らせ(8月)

8月のテーマは次の通りです。

8/1(水) 「来月のHbA1cを0.1%下げる為に」講師:細見医師
8/8(水) 「糖質とはどんなもの?」講師:管理栄養士
8/15(水) 「あなたの検査の本当の意味」講師:臨床検査技師
8/22(水) 「薬で血糖値を下げる~注射薬編~」講師:薬剤師


みどり病院の外来ホールで、毎週水曜日午後3時~、開催しています。
どなたでも、ご参加頂けます。
みどり病院