糖尿病をきちんと治療しないままほうっておくと、
からだのいろいろな部分がいたんできます。
とくに、
目⇒視力がおちる
神経⇒足の感覚がなくなる、しびれる、ジンジンと痛む
腎臓⇒尿にたんぱくがおり、からだがむくむ
といった、いわゆる「3大合併症」をおこすことはみなさんも
よくご存じのことかと思います。
今日は、アメリカ糖尿病学会(ADA)のホームページに気になる記事が
出ていたのでとりあげてみたいと思います。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、
糖尿病があるとそうでない人に比べ約2倍、難聴(耳がとおい)になりやすいそうです。
私たちは耳の中の「内耳(ないじ)」とよばれる場所で音を聞いていますが、
内耳にはたくさんの神経や毛細血管が集まっていて、それらは血糖値が高いほど
ダメージを受けるのだとこれまでの研究結果から考えられています。
あなたの聴力は問題ありませんか?
一般的に難聴は年月をかけて徐々に進むので、自分では気がつきにくく、
家族や友人に指摘されてはじめて問題となることも少なくありません。
よくみられる症状は次のようなものです。
· 何度も聞きかえす
· 3人以上で話をしていると会話についていけなくなる
· 相手がぼそぼそ、ぶつぶつ言っているように感じる
· 混みあったレストランなどさわがしい場所では聞きとりにくい
· 女性や小さい子供の声は聞きづらい
· テレビやラジオのボリュームがうるさいと他の人に言われる
難聴かな?と思ったら
耳鼻咽喉(いんこう)科専門医のもとで聴覚障害の状況をくわしく
調べることをおすすめします。
診察を受けると、耳あかがつまっていて聞こえにくくなっていただけ、
ということもときどきあります。
難聴のタイプで最も多いのは「感音性難聴」とよばれるもので、
糖尿病患者さんで通常みられる難聴もこのタイプです。
「感音性難聴」はもとには戻りませんが、多くの場合、
補聴器(ほちょうき)を使えばよく聞こえるようになります。
耳鼻咽喉科専門医のなかには補聴器相談医の資格をもつ医師がおり、
その方が生活していくうえで必要な音の範囲などを考慮したうえで
適切な補聴器を合理的な価格で利用できるように診療にあたっています
からお近くの補聴器相談医を探せます)。
補聴器の性能はこの数年でずいぶんよくなっています。
すべての音を大きく聞かせるようなものでなく、聞きたい高さの音だけを
聞こえやすくしたり、自動で音量を調節したり、周囲のノイズを消してくれる
ようなものも最近は出てきています。
補聴器をつけるのは抵抗が…
補聴器は年々小型化していて、他の人に簡単には気づかれないように
なっています。
実際に、身近な人が「補聴器をつけているんだな」と気づくよりも
「ああ、この人は耳が遠くなったなあ」と感じることのほうが圧倒的に多いものです。
さらに、聞こえにくいままにしておくと、抑うつな気分になったり、
友人との楽しいおしゃべりがおっくうになったりします。
補聴器は生活の質を高めてくれるあなたの強い味方になってくれるはずです。
横山