2012年6月7日木曜日

健康寿命をのばす

「健康寿命」とは、世界保健機関(WHO)が2000年に打ち出した概念で、                                         
介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、                                              
健康的な日常生活を送ることのできる期間のことをいいます。                                      
日本人は長寿(平均寿命 男性 79.55歳、女性86.30歳)で知られますが、                              
厚生労働省の調べによると、2010年の健康寿命は、男性が70.42歳、女性が73.62歳で、                          
すなわち「健康的でない」期間が男性では9年、女性では12年もあることになります。                       
そこで、20132022年度の国民の健康づくり計画案には「健康寿命を延ばす」ことが                      
目標として盛りこまれています。


寝たきりの原因として多いのが骨折。                                                       
とくに大腿骨頸部(足の付け根の部分)の骨折はほとんどが転倒によりおこり、                           
日本では年間10万人にも達します。

骨の量が少なくもろくなる病気、骨粗鬆症がベースにあると骨折をおこしやすくなりますが、                 
実は糖尿病患者さんでは

 インスリンが不足して骨を作る細胞が少なくなる
 血糖値が高くて尿の量が増えるとカルシウムが流れ出てしまう
 骨の中のコラーゲンの質が悪くなる

などの理由から骨粗鬆症がおこりやすく、また

 網膜症による視力低下
 神経障害による足のしびれ、立ちくらみ

などの合併症があると、そもそもつまずいたり、転倒しやすくなります。


骨を丈夫に保つには?
カルシウムの摂取量を増やすことに加え、運動で骨に適度な重力をかけ、                             
カルシウムを骨にたくわえることが必要です。                                                 
ウォーキングや階段の上り下りも良いですし、フラミンゴのように片足立ち                            
(壁やテーブルにつかまりながらでもOK)も効果的です。


もちろん、血糖値の管理が大切なのは言うまでもありませんね。



横山


みどり病院