2012年6月27日水曜日

公開糖尿病教室のお知らせ(7月)

7月のテーマは次の通りです。

7/4(水) 「骨太に生きる」講師:横山医師
7/11(水) 「1日どれくらい食べたらいいの?」講師:管理栄養士
7/18(水) 「楽しく運動療法」講師:理学療法士
7/25(水) 「薬で血糖値を下げる~のみぐすり編~」講師:薬剤師

みどり病院の外来ホールで、毎週水曜日午後3時~、開催しています。
どなたでも、ご参加頂けます。

2012年6月12日火曜日

認知症 運動がもたらす効果



認知症の患者さんは高齢化にともない年々増えており、
わが国でも250万人を超えるといわれています。

その半数を占めるのがアルツハイマー病。

アミロイドというたんぱく質が脳に貯まり、
脳の中でとくに記憶をつかさどる「海馬」という部分を萎縮させ、
記銘力や認知機能を低下させます。


最近、生活習慣病と認知症との関係が注目されるようになり、
糖尿病患者さんでは約2倍、アルツハイマー病にかかりやすいといわれています。
マウスの実験から、アミロイドたんぱくと高血糖が互いに作用し、
酸化ストレスのもとになるフリーラジカルが作られ、脳の血管の細胞に
ダメージをあたえるのではないか、という説もあります。


 
運動は肥満を解消したり、インスリンの効きを良くするなど、
糖尿病の治療において欠かせないことはみなさんよくご存じのとおりです。

実は運動は認知症の予防にも効果があることがわかってきました。
ウォーキングや階段の昇り降りなどの運動でエネルギー消費が多い
糖尿病患者さんでは将来の認知症のリスクが3割も減ったという報告があります。
運動が脳の血の巡りを良くすることが関係しているのではないかと考えられています。

健康なからだを維持するために、毎日の習慣にとりいれない手はないですね。



横山

2012年6月7日木曜日

健康寿命をのばす

「健康寿命」とは、世界保健機関(WHO)が2000年に打ち出した概念で、                                         
介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、                                              
健康的な日常生活を送ることのできる期間のことをいいます。                                      
日本人は長寿(平均寿命 男性 79.55歳、女性86.30歳)で知られますが、                              
厚生労働省の調べによると、2010年の健康寿命は、男性が70.42歳、女性が73.62歳で、                          
すなわち「健康的でない」期間が男性では9年、女性では12年もあることになります。                       
そこで、20132022年度の国民の健康づくり計画案には「健康寿命を延ばす」ことが                      
目標として盛りこまれています。


寝たきりの原因として多いのが骨折。                                                       
とくに大腿骨頸部(足の付け根の部分)の骨折はほとんどが転倒によりおこり、                           
日本では年間10万人にも達します。

骨の量が少なくもろくなる病気、骨粗鬆症がベースにあると骨折をおこしやすくなりますが、                 
実は糖尿病患者さんでは

 インスリンが不足して骨を作る細胞が少なくなる
 血糖値が高くて尿の量が増えるとカルシウムが流れ出てしまう
 骨の中のコラーゲンの質が悪くなる

などの理由から骨粗鬆症がおこりやすく、また

 網膜症による視力低下
 神経障害による足のしびれ、立ちくらみ

などの合併症があると、そもそもつまずいたり、転倒しやすくなります。


骨を丈夫に保つには?
カルシウムの摂取量を増やすことに加え、運動で骨に適度な重力をかけ、                             
カルシウムを骨にたくわえることが必要です。                                                 
ウォーキングや階段の上り下りも良いですし、フラミンゴのように片足立ち                            
(壁やテーブルにつかまりながらでもOK)も効果的です。


もちろん、血糖値の管理が大切なのは言うまでもありませんね。



横山


みどり病院